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今朝は例のごとく早起き。5時くらい。



駐車場に行き、何を思ったか、車の中の装備解説をしている。また、キャンプに行く理由も、ダラダラと。一人語りが好きな奴である。後々車の中の装備は、より洗練されていくが、基本こんな感じである。



ちゃんと寝たので、意外と体力は回復して、グランドキャニオンに向けてのドライブに意欲的である。昨日の疲労は、これがずっと続いたらマジで死ぬわ・・とおそろしかったが、こんな感じに回復してくれれば、ならなんとかなりそうだと思った。ベガスからグランドキャニオンへの道は、早朝ということもあって、空いていた。かつ、ロスのようなゲーセン感覚でぶっ飛ばす感じではなく、みんなゆっくりの運転であった。

そして、噂通り携帯の電波が届かなくなったので、オフラインでも使えるiphoneアプリsygicが頼りになる。ナビは出発の直前にこのアプリを見つけて、それまではmaps.meというのを使う予定でいた。ベガスから離れていくとすぐに、景色が荒野になっていき、感じがでてきたぞ!と一人で盛り上がっていた。


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見える風景がだんだんと変わっていく。単なる砂漠から、荒野といった感じに。

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 陽が昇りつつある。太陽は暑い。ものすごく暑い。まだこの時間帯は涼しい。




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朝陽がまぶしいのはこの旅の宿命だ。なぜなら東を目指しているからだ。
 
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左側に太陽があるときは、こんなわけのわからない姿になっている正男。


おもむろに車の性能を自慢しだす正男。


風景と音が合うなぁとか、色々試している初々しいころ。




カーブの多い道をいくつか越えていくうちに、今日の一つ目の目玉のヒストリックルート66というアメリカで一番古い旧道を通ろうと思った。やや遠回りするルートなのだが、ルート66に関しては、ガイドブックに必ずでてくる道で、古きよきアメリカの風景が見られるということだ。


どんなものかと思っていたが、古い建物とかは、正直一瞬で通りすぎるので、撮影もできないし、別にたいしたことなかった。

それよりも、ひたすら真っすぐ続く道や、制限速度も65マイル(105キロ)と走りやすい感じで。のんびり走れた。




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キングマンという町で、高速を降りて、ルート66を走ってみる。ルート66と書いた看板があるのが見えるだろうか。



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他に車が全然来ないので、これがアメリカか!と一人感動した。運転に慣れてないせいか、手に汗をかいて滑るのが気になった。まっすぐな道で、車を降り、自撮り棒で撮ってみた。名一杯格好つけた写真だ。



スマホの電波が入るところもあり、、日本の彼女とLINEで動画チャットをしながら走ったり、Facebookにあるライブ配信(60分)を試しにやってみたら、

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日本は深夜1時くらいのもかかわらず、何十人かが見てくれた。これはかなり画期的で、自分はスマホをたまにチラリと見ると、コメントがついているので、それに対して実際に喋って応答するというスタイル。本来であれば、風景を見せたいのであるが、運転中なので難しい。そこで、次にどこか大きめの街にいったときに、前方が見えるようなホルダーを買うか自作しようと思った。リアルタイムでアメリカ横断中継をやるなんて画期的ではないだろうか。まぁ主に自分ががひとりごとを言っているだけなのだが。


後々、この放送は旅の終わりまで続く。寂しさを紛らわせるのにものすごく効果があった。

 

今日の目標のグランドキャニオンに行く途中のモーテルには11時くらいに着いてしまい、5時間のドライブも道が空いていたので苦ではなかった。しかしモーテルのチェックインは16時であり、本来であればもっと遅く着くと思っていたので、やることがなくなってしまった。ガイドブックによると、グランドキャニオンは日の出か日の入を見なければ意味がない。と書いてあったので、予定では明日、グランドキャニオンの日の出を見てしばらく散策するつもりだった。しかし、グランドキャニオンはすぐそこなので、とりあえず見てみたくなり急きょ予定を変更して、朝日ではなく、夕日を見に行くことにした。


しかし、これから行くと、この炎天下の中、日没を待つと、体力を消耗しそうだと思った。こういう時、日本なら、温泉に行くのになぁと思ったが、アメリカには温泉はない。

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とりあえずお腹もすいていたので、モーテルに付属のレストランに入ってみると、やはりサンドイッチ、バーガー、サラダ、肉。くらいしかないので、この旅2回めのバーガーを食べた。肉がしっかりしてて味付けも自分でできるので、いい感じだった。ただ、ここで消化に体力を使うと、この後が大変になるのだが・・・。



同じレストランにいた人に見どころを聞いたり、駐車場で写真を取ってもらった。

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どこがいい?とか聞いている図。ナラティブクリップは一人旅の頼もしい記録係だ。
 

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写真も撮ってもらった。指も映ってる・・。


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そして、グランドキャニオンに向けて出発。およそ1時間半で到着。




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グランドキャニオン(サウスリム)に着いて入り口で入場料を払うとき、この旅で何度も訪れるであろう国立公園のパスを80ドルでゲット。何かうれしい。

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このようなマップと解説が書いたパンフレットも配ってくれる。たしか日本語バージョンももらった。 後日何度も行く、ナショナルパークでも統一されたデザインのマップを必ずもらえるのだが、ほとんど捨ててしまった。今思えばとっておけばよかった。



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駐車場にいくと、結構混んでいる。適当なところに停めたらビジターセンターまですごい遠かった。

ところで、どこか目的地に着くと、まずやるのが、車から何を持っていくかというのを考えること。特にこのキャニオンの場合荷物を多めに持って行くと、歩くのがしんどくなるだろうから、余計なものはトランクにしまって、絶対使うものだけ持参した。グランドキャニオンはこの旅の大きな目玉であるから、いい思い出にするために、さきほどのバーガーのレストランで色々と予習をしていたので、まずどのビューポイントに行くかなど綿密に考えてはいた。


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ちょうどキャニオンに着いたのが、13時頃だったろうか。今日も快晴で紫外線が肌や目に痛い。これがどんどん体力を奪っていく。

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まずビジターセンターで15分ほどの、キャニオン紹介ムービーを見たが、これが結構わかりやすくて、地質学的にグランドキャニオンがいかに古いかがわかって、驚いた。まずこれを見るまでグランドキャニオンが一体どういう全貌をしているのか、ちっとも知らなかったけれど、概要がつかめた。


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さて、映画を見終わって、早速最も近いビューポイント、マーザーズポイントに歩いてみる。時間的にも来客がピークになりつつあるので、大勢でゾロゾロと歩いている。といっても、東京の荻窪あたりの駅前と同じくらいの混み具合なので、まぁなんてことない。



そして、いよいよマーザーズポイントから見たグランドキャニオン。


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パノラマ写真。これFacebookにUPすると、結構おもしろいよ。画像をクリックすると高解像度で見れるよ。
 



で、感想はというと・・うん。写真と一緒。




正直もっと感動するかと思っていが、これはキャニオンが悪いわけではなく、自分の体力がそろそろ限界なせいで、いまいち風景に感動する余裕がなかった。時差ボケと、さっきのハンバーガーの消化と長いドライブとこの灼熱の太陽のせいである。頑張れ俺。

 

次に、となりのヤバパイポイントまで、少し歩いてみる。なるほど、こういう感じにポイント間を歩きながらも、グランドキャニオンを見ることができるのか。



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うん。まぁきれいだよね。

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iphoneだとこんなもんだけど、一眼レフとかなら、もっときれいに撮れるんだろうなーと思った。



動画で見ても絵みたい。







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とりあえず、その辺の人に撮ってもらった。



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確かに圧巻なんだけど、何かが足りない。そう。立体感だ。まだ日中すぎて、平面的になっちゃうのだ。
地球の歩き方にも書いてあったけど、やっぱり夕日に照らされる影の多い、グランドキャニオンの方がキレイだということで、夕日を待とうと思った。

しかし、夕日を見れるまであと3時間もある。どこかで休まないと、もたないぞ。とだんだん焦ってくる。そこで、一度ビジターセンターに戻り、どこかで休憩を取ろうと思うが、特にいいところがない。

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しょうがないので、園内バスに乗って一番遠くのポイントまで行ってみようと思い、バスに乗ると非常にエアコンが聞いていて、気持ちがいい。



園内にずーっといるとマジで疲れるので、わざと時間をつぶすために端から端までバスに乗るのはオススメ。

端っこまで20分以上あったので、ふと居眠りしたら一気に体力が回復した。エアコンありがとう。そして、ヤキポイントというところで、人が来ないところをみつけて岩の影で休んでいた。そうすると、定期的に人がバスに乗降するが、ふと人がいない瞬間もあって、そのときに驚くほど静かなことに気がついた。

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旧日本兵の生き残りではない。岩の陰で瞑想しているのだ。

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上に誰かいる。でも向こうからは自分は見えない。そういったポイントを探すと面白い。




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こんな風景を見ながら、体力回復を図っていた。この写真は気に入ったので、iphoneの待ち受けにしている。


一人瞑想していると、目の前に広がる絶景を独り占めしたような気持ちになった。そこで、不思議なパワーが体に充電される気がして、だんだんと元気がでてきた。それでもまだ日暮れまで2時間ある。


次は、一番左のポイントまで園内バスを乗り継いで行ってみようと思った。途中バスの中に、持ってきたスマホのホルダーを落としたことに気がついて、戻ったらあったのでよかった。一番左のハーミッツレスとというところまで行く途中に、よさそうなポイントの当たりをつけておいた。なんとなくの感である。で、ギフトショップがあったのでキーホルダーを買い、さっそくリュックにつけた。

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そして、ハーミッツレストで、1時間ほどつぶし、いよいよ日暮れを見るために、さきほどあたりをつけたポイントの一つ前で降りて、ゆっくりトレイルを歩いた。

この時から自分でだんだんわかったきたのが、こういうところの楽しみ方は、ひたすら一人になることだと思った。一緒にバスで降りた人と同時に動くと、ずっと集団行動になるので、なるだけ一人になるためには、わざと時差を作り、人が引いてから行動すると、人と会わなくてすむ。

前後を歩く人の会話というのは、けっこう耳障りなのである。私は大自然の音がききたいのである。

 
そして、トレイルを歩いていたら、いつの間にか日が傾いてきた。先程までとは違う風景がそこに展開されてきている。より立体感が増し、より感動的な光景であった。


動画にしたので、見てほしい。まぁ独り言がうざいという人は見ないほうがいい。


長い動画であるが、楽しそうなのが伝わる。




高所恐怖症の人は見ないほうがいい。


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そして確かに、見晴らしのよいポイントには人が多く、すばやく自分のポイントを見つけ、一人できた自分はカメラをセルフタイマーにして、何度かシャッターを切るも、いい構図が生まれない。



そうして行ったり来たりしている間も、風景は徐々に変わっていく。これは自然のライブだ。と思った。そこに通りがかった中国人夫婦がセルフィーしていたので、とってあげようか?と英語で聞くと、是非。というので、一生の思い出に残るべく写真を、真剣に撮った。構図を変えて何枚も。そしてその中国人主人に、自分も撮ってもらった。それがこの1枚である。
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気に入っている。

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これは次点である。何を指さしているのだろうか。




以下の写真をみてほしい。日暮れとともに、グランドキャニオンがドラマティックに変化していくのがわかると思う。これを生で見た時の感動と言ったら・・。

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旅の序盤でこんなにすごいものをみるとはおもわなかった。それはそれはすごいものだった。そして、国立公園は自分なりの楽しみをみつけることの重要性も知った。中国人にいい写真をとってもらった。その人はバスで座れなくて挨拶もせずに別れた。






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夕日をみた観光客は、みんな幸せそうな顔をしていた。


駐車場に戻ると暗くて、自分の車の場所が結構わからなかった。
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感動に浸りつつ、ややここち良い疲労を感じながら、モーテルに戻る。遅いチェックインを済ませ、手洗いで洗濯をし、これを書いている。


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モーテルについているバーで、この旅はじめてのビールを飲む。なんかおいしくなかった・・。

明日は、フラッグスタッフというここから1時間ちょいのところに移動して、グランドサークルを堪能する2日目に突入する。明日はセドナというところを目指す計画に切り替えた。楽しみだ。 



余談
もし、これからグランドキャニオンを見に行く人がいたら、必ず1日はキャニオン見学にあてたほうがいい。ここは、のんびり日の出、日の入りを見ながら散歩していると、本当にいい瞑想になる。地球が回っていることが、わかる。とても静かな時間を過ごして、ここに来てよかったと思わせる。それは泉質の良い温泉に入った時のような、しっとりとした体験である。






 
こんないい景色をiphoneではなくて、いつかこういうカメラで撮りたいものだ。


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